秘密の片思い
郁斗の電話に出ず、祐一郎を避けて過ごした。


とうとう郁斗の帰国パーティーの日の前日になった。



* * * * *



「ただいま戻りました」


「お帰り、愛」


涼子が冷たい麦茶を持って来てくれた。


「ただいま」


ハンカチで汗を拭う。


部屋の中はクーラーが聞いていて天国のようだ。


また会社に戻ると胃がきりきりと痛む。


視線は祐一郎が部屋にいないか探してしまう。


いない事にホッとするそんな自分が嫌になる。




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