秘密の片思い
「日菜・・・ごめんね・・・今仕事で地方にいるの・・・・すっかり忘れてた」


『愛ちゃん、本当に?本当に地方にいるの?』


「本当だよ?写メで送ろうか?・・・悪いけど郁斗に謝っておいて」


日菜の返事はなく、電話の向こうで「あっ!」と言う声が聞こえた。



『愛、本当に仕事で地方にいるのか?』


突然、郁斗の声が聞こえて愛は携帯を落としそうになった。


「郁斗・・・本当だよ 今、日菜に写メ送ろうかって言っていた所。取材が入っちゃって郁斗の帰国パーティーをすっかり忘れていたよ ごめんね?」


よくもすらすらと嘘がつけるもんだと自分で感心してしまう。


『愛、なんかあったんだろう?だから電話にも出なかっただろう?』


「・・・郁斗 前に会った彼、覚えてる?彼と真剣に付き合うことにしたの だからもう終わり」


その言葉を口にして胸が痛んだ。




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