秘密の片思い
『何言ってんだよ!ふざけるな!モデルを断ったからか?』


「そんなんじゃないよ!バカにしないで!モデルを断られたくらいなんともない」


携帯を持つ手が震え始めた。


ハッとして周りのテーブルを見ると注目を浴びていたことに気づいた。


最初は小声だったのにいつの間にか大きな声を出してしまっていた。



「郁斗、日菜に謝っておいて」


そう言うと愛は携帯の電源を落とした。


時間をかけて企画した日菜に申し訳ないと心から思っている。


(帰ったらちゃんと謝らなきゃ・・・)


胃は痛み、身体が震えている。


このまま車の運転は出来そうに無かった。



< 187 / 646 >

この作品をシェア

pagetop