秘密の片思い
「うぬぼれないで、昨日電話もらった時、彼と一緒にいたの やっぱり彼が好きだから」


(こんなにも簡単に嘘が出てくるなんて・・・)


愛は震える手を郁斗から見えないように隠した。


「・・・愛があの男が本当に好きなら・・・わかった・・・」


郁斗は愛の支離滅裂な行動に疑問を感じた。


が、愛の幸せを願う気持ちもある。



(結局は俺が2人を邪魔したのか・・・・)


愛に近づき腕を伸ばし髪に触れる。


「6年経っても愛は俺をまだ好きでいてくれたんだと思っていた 虫がいい話だよな。もう連絡はしない 幸せになれよ」


郁斗はゆっくり一度だけ髪を撫でると出て行った。



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