秘密の片思い
やっとの事で君島編集長にOKを貰ったのは定時時間を過ぎて7時をまわっていた。


愛はようやく貰えたOKに気分が良くなった。


(どうにかここでやっていけそう)


パソコンを前に安堵した時、由奈が近づいてきた。


「愛さん、・・・廊下に・・お客さんです」


いつもの由奈らしくなく歯切れの悪い物言いだ。


「えっ?」


顔を上げて由奈を見る。


「名前言ってた?」


「え・・・と・・・なんとか・・・仁美・・・って ごめんなさい 苗字は忘れて・・・」


たぶん由奈はラブホテルで会った仁美を覚えていたのだろう。


だから廊下で会って驚き、苗字を聞き逃したのかも。


「わかったわ ありがとう」


愛は由奈に笑顔を向けると出入口に向かった。





< 234 / 646 >

この作品をシェア

pagetop