秘密の片思い

ドアを開けて廊下に出ると少し離れた所でうつむいている仁美を見つけた。


「仁美さん」


名前を呼ぶと仁美が顔を上げた。


いつもの明るい仁美の表情とは異なり愛は胸が痛くなった。


「愛さん・・・」


小さな声で愛の名を口にした。


「ごめんなさいね？メールの返事返さないで」


（自分が返事をしなかった事で仁美さんは悩んだのかもしれない）


自分にメールを出すにもきっと勇気がいったに違いない。


愛は申し訳なく思った。