秘密の片思い
「お話があるんです」


仁美が話を切り出した。


「そうだね　話をしないと　まだ仕事が残っているから屋上でいいかな？」


愛の言葉に仁美が頷いた。



＊ ＊ ＊ ＊ ＊



屋上へと向かうエレベーターの中では息が詰まりそうなくらい静かだった。


エレベーターは到着音を鳴らして開いた。


屋上の扉を開けると隅の方に息抜きに来ている男性2人が目に入る。


愛は彼らとは反対の方に歩くと仁美も付いてきた。


「祐の事だよね？」


愛が聞くと仁美が顔を上げて「はい」と言った。


「あたし、祐一郎先輩を愛しています」


さっきまでおどおどしている様な雰囲気からがらりと変わってきっぱり言う仁美は堂々としていた。


「・・・祐はなんて？」


仁美と寝たのは魔がさしたに過ぎないと言った祐一郎の言葉を思い出した。



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