秘密の片思い
その記者会見のTVを日菜と千波も朝食の席で見ていた。


「郁斗、入るチームが決まったんだね?」


サッカーの事をよく知らない日菜が千波にうれしそうに言った。


「そうらしいね」


千波は郁斗の交渉人になった秋成から愚痴を聞いていた。


もっと強いチームから高額な金額を提示されていたのに郁斗が断ったと。


何の為に自分が交渉人になったのか・・・。と秋成は嘆いていたらしい。


「もっと強いチームから誘いを受けていたらしいよ」


千波が教える。


「そうなんだ、それはそうだよね?ブラジルで活躍していたんだもんね」


「まあ、弱いチームでプレーして勝つ醍醐味を味わいたいのかもしれないが」


千波はTVを食い入るように見ている日菜に言う。


「たぶん・・・愛ちゃんのためだよ」


呟く日菜に千波は目を細めた。



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