秘密の片思い
鍋にお水を入れて煮立たせている間、TVに映る郁斗を食い入るように見る。


練習用のユニフォームを着た郁斗がメンバーにパスを出したり、巧みな足技でゴールまで独走したりと身軽に動いている。


走るたびに足の筋肉の動きにうっとりしてしまう。


「完全な郁斗バカだ・・・・」


会えないと思うと余計に会いたくなる。


別れを宣言したあれから郁斗からは何もない。


当たり前だよね・・・・。


一方的にあたしから別れを告げたんだから・・・。


「こら、愛 未練たらしいぞ!」


キッチンに戻ると鍋のお湯が煮立っていた。



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