秘密の片思い
「37度か・・・・微熱って所だね」


体温計を薬箱にしまおうとした時、愛の手が止まった。


「・・・・・」


ソファーの上に置いたバッグの所へ行く。


体温計を持ったままいつも持ち歩いているバッグから手帳を取り出した。


(来てない・・・・生理が・・・ない・・・・?)


その場にへなへなと力なく座り込む。


「まさか、妊娠?」


(そんなわけないよ 郁斗はちゃんと避妊してくれていた)


経験の浅い愛は妊娠の知識もあやふやで、男性が避妊をしたからといって絶対というわけではない事を知らなかった。


「きっと風邪だよ・・・一晩眠れば治るよ」


気分の悪さに愛は食べるのも忘れて寝室へ行きベッドに横になった。



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