秘密の片思い
カチャ・・・・


中からドアが開いた。


開いて郁斗はホッとした。


「郁斗・・・・帰って」


顔色が悪く頬が少しこけたような愛が顔を覗かせた。


少し開いたドアを掴み大きく開けると郁斗は中へ一歩進んだ。


「お前、病院へ行ったのか!?」


尋常ではない愛の様子に郁斗は心配そうな顔になった。


(今にも倒れそうじゃないか)


郁斗は屈むと愛の膝の裏に腕を差し入れて愛を持ち上げた。


「い、郁斗っ!やめて!歩けるから」


抱き上げられて郁斗の顔がすごく近くなって困る。




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