秘密の片思い

産婦人科

郁斗がいなくなったと思ったらすぐに戻ってきた。


手には小さな箱を持っている。


「薬を飲めよ」


買い物のついでに風邪薬も買ってきていた。


箱を開けて中から錠剤を3粒取り出すと愛の手に落とす。


「郁斗・・・・・」


「病院へ行かないのなら薬を飲んで」


目の前にひざまずいた郁斗は本当に心配そうで愛は罪悪感を覚えた。


「・・・・・」


(妊娠していたとしたらこれを飲むわけにはいかない・・・)


手に置かれた白い3錠の薬に目を落とす。



< 270 / 646 >

この作品をシェア

pagetop