秘密の片思い
「お前にふさわしいのは俺だけ わかるだろう?」


前髪を優しくかき上げられると愛の心に暖かいものがわき上がった。


(もうつらい思いをしなくてもいいの・・・?郁斗はずっと傍にいてくれるの?)


「・・・赤ちゃんの事、驚かないの?」


「正直、驚いたけど出来ちゃった婚もいいんじゃないか?若い2人ってわけでもないんだし 恥ずかしがる事はない」


愛の目から涙があふれ出て枕を濡らした。


「お、おい 泣くなよ まだ愛の言葉も囁いていないのに」


泣き出してしまった愛に郁斗が慌てる。


「愛の言葉・・・?ってあたし?」


泣きながら聞くと「バカだな」と言われた。


「お前を愛しているって言ってないだろ?」


「郁斗・・・」


愛の言葉を告げられて涙が止まった。



< 276 / 646 >

この作品をシェア

pagetop