秘密の片思い
「郁斗・・・そんなにすぐでなくても・・・」


どんどん進んでいきそうな勢いに愛は戸惑った。


「すぐの方が良いだろ?赤ん坊はすぐに大きくなるから ウェディングドレス、着れなくなるぞ?」


「ウェディングドレス・・・?」


「結婚するのに何を着るんだよ 文金高島田か?似合いそうだけどお腹を締め付けられそうだから無理だろう?」


郁斗が笑う。


「違うの、結婚式すると思っていなかったから」


籍だけ入れるものと思っていた。


「結婚式、挙げるに決まっているだろう?俺も愛のウェディングドレス姿見たいし 結婚式挙げなかったらお前の両親に「娘はやらん」なんて言われそう」


茶化した物言いに愛は鈴を転がしたような笑い声をあげた。



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