秘密の片思い
「いや、俺も楽しかったよ 弟たちが野球でなくてサッカーファンで良かったよ」


郁斗が茶目っ気たっぷりに笑う。


「そうだね 野球ファンだったら「あんた誰?」って言われちゃったかも」


想像するとおかしい。



「これでお互いの両親に挨拶は済ませたから、今度は両家で食事に行こうか 都合の良い日聞いておいて?」


運転をしながら今後の予定をめまぐるしく確認する郁斗だ。


移籍したばかりで忙しいが産まれてくる赤ん坊の為にも早くけじめをつけたい。


「うん わかった」


愛のマンションへ送った郁斗は玄関まで付いてきた。


「ありがと お茶飲んでいく?」


遅い時間だけどまだ一緒にいたい気持ちで聞いた。




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