秘密の片思い

いない朝

郁斗の手がシーツの上をさまよう。


愛を引き寄せようと意識の下で愛の身体を探している。




「愛・・・・・?」

郁斗の目蓋が眠そうに開く。


隣に眠っていたはずの愛はいなかった。


「愛?」

郁斗はけだるげに身体を起こした。


部屋の中を見渡す。


一瞬、シャワーを浴びているのかと思ったが、すぐに愛が帰ってしまった事が判った。


イスにかけられた愛の服とバッグがなかったからだ。





< 31 / 646 >

この作品をシェア

pagetop