秘密の片思い
<チーン>


オーブンの出来上がりの音が聞こえた。


愛はハッと我に返って郁斗を見る。


郁斗の口付けで愛の唇がプクッと腫れていた。


潤んだ目を向けられて郁斗は我慢が出来なるほど煽られた。


もう一度キスしようとした時、愛が言った。


「郁斗、グラタンが出来たみたい」


グラタンを焼く時間中、ずっとキスしていたのが愛には信じられない。


「そうだな 俺、グラタン大好きなんだ」


郁斗は愛を抱きしめる事をあきらめて言った。



ニセコに旅行した時、食堂で何度かグラタンを注文していたから好きなのかなと思い出して作った。


まだ大好物と知ってうれしかった。



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