秘密の片思い
<朝倉兄弟はフェミニストだよ>


高校の時に日菜が言っていたのを思い出す。


今もイスを引いてくれたり、結婚式の夜をロマンチックにセッティングしてくれている。


嬉しい気持ちと、嫉妬する気持ちが湧き上がってしまう。


ブラジルで付き合っていた彼女ともこんな風に過ごしたのかなと・・・。


あたしの知らない郁斗の6年間。


帰国後の取材の時も郁斗は彼女がいた事を否定しなかった。


「どうしたんだ?お腹でも痛いのか?」


自分も席に着くとぼんやりしてしまっている愛に聞いた。


「えっ?う、ううん 痛くないよ 大丈夫」


愛は嫉妬する心を隠して郁斗に微笑んだ。




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