秘密の片思い
「ゆっくり出来なくてごめんな?W杯の予選が終わったらひと段落着くから」


「うん・・・・大丈夫・・・」


だめだ、泣いちゃいそう・・・。


愛は目をしばたたかせて涙を堪えた。


その時、郁斗が愛の肩に手を置いて顔を見ようとした。


慌てて顔をそらす。


「愛?もしかして泣いてる?」


「な、泣いてないから 早く行って?遅刻しちゃうよ?」


愛が無理に笑って床に置いた大きなバッグを持とうとした。


「愛、重い物を持っちゃダメだ」


愛の手からバッグを取り上げる。


「気をつけないとな?留守の間、絶対に無理するなよ?」


そう言うと愛の唇にキスを落とした。



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