秘密の片思い




どの位経ったのだろうか、シーンと静まり返った部屋にカチャっと玄関が開く音がした。


そして郁斗の「ただいま」の声。


愛は慌てて顔を上げた。


やだ!泣いている所を見られたくない・・・。


愛は急いでキッチンに行った。






「愛?いるんだろう?」


いつもは出迎えてくれるのに今日は姿が見えない。


リビングのドアを開けるとキッチンの灯りだけでリビングは薄暗かった。


リビングの電気を点けて愛の姿を探す。


「愛?」


キッチンを見ると愛がうつむいて料理を温めていた。


「あ、お帰りなさい 気づかなかったよ」


郁斗の方をさっと見てから鍋の方を見てしまった愛に違和感を感じた。




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