秘密の片思い
「愛」


名前を呼ばれて愛は顔を上げた。


顔を上げた愛の表情は読めない。


「愛、悲しませてごめん・・・・」


郁斗は愛の目の前に立つと目線を同じにする為にしゃがんだ。


郁斗の瞳が愛の瞳を捉える。


「弁解するようでかっこ悪いけど、あれは本当の事じゃないんだ」


愛の瞳が揺らぐ。


「あの写真では2人っきりのように写っているけどチームのみんながいたし、あの時、エレナは酷く酔っ払って足元がおぼつかなかったんだ よろけた所を撮られたようだ」


郁斗の瞳を見ていた愛は嘘を言っていないのだろうと確信した。



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