秘密の片思い
窓の外を見ながら郁斗に想いをはせる。


きっと郁斗ばかり目が行っちゃうんだろうな。


バッグの中には高性能のオペラグラスが入っている。


本当はカメラを持ってきたかった。


本格的なカメラ一式を愛は持っているのだ。


しかしあんなに重い機材を持って歩くのは無理だった。


郁斗の活躍を想像して笑みを浮かべたその時、


けたたましいクラクションが愛の耳に聞こえた。



「えっ?」


次の瞬間、ものすごい衝撃を身体に受けて何もわからないまま愛は暗闇の中へ落ちて行った。



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