秘密の片思い
愛の乗ったタクシーは交差点に入り直進しようとしていた所へ反対車線の乗用車が右折してきたのだった。


乗用車は愛の乗ったタクシーの側面に突っ込み、2台は数メートル方向を失ってガードレールにぶつかった。



その頃には愛の意識はすでに無く、何もかもわからなかった。







「兄貴、姉ちゃん、遅くないか?」


歓声の中、弟の空が兄の大地に聞こえるように声を張り上げた。


「そうだよな 遅すぎる」


試合は始まっており義兄はフィールドを走り回っている。


そんな義兄を見て誇らしく思う。


大地は携帯をポケットから取り出す。


歓声で聞こえなかったのかもと思ったのだ。


だが、携帯の画面にはメールも着信も無かった。



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