秘密の片思い
早く思い出したいと言った愛に郁斗は首を横に振る。


「だから言っただろう?早く思い出したいと思えば思うほど焦って思い出せないんだ 自分を苦しめるだけなんだから無理に思い出そうとするのはやめるんだ」


何度言っても愛は記憶を取り戻そうと考える。


そして頭痛に襲われて自分に叱られる。


ここ2・3日はその繰り返しだ。


「だって・・・どうして郁斗と結婚した事を忘れちゃったんだろう・・・それを考えるとすごく悲しいの・・・」


今にも泣きそうな愛の頬に郁斗は手の甲で触れる。


「思い出せないからって愛が俺に愛情がなくなったとは思わないからな?」


愛が心配しているのはたぶんその事だろう。


目が覚めたらいきなり結婚していたなんて不安すぎる。




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