秘密の片思い
「えっ?朝倉の実家に住むって・・・?」


退院後はてっきり話に聞いていたマンションへ行くとばかり思っていたのでそう言われて戸惑う。


「いや、断定じゃない 住まないか?って言ったんだ」


「どうして・・・・?」


「1ヵ月後の国際試合のレギュラーに選ばれたんだ これから練習や合宿で留守にする事が多いから俺の安心できる所にいて欲しいんだ」


不安げな瞳を向ける愛に郁斗は言葉を選んで言う。


「あたしの実家じゃだめ?」


「愛のご両親は共働きだろ?日中家に誰もいないし朝倉ならばお手伝いさんもいる まだ無理できない身体だし」


退院の準備を済ませ愛はウールのワンピースとブーツを履いてベッドに腰掛けて足をぶらぶらさせていた。


大人の愛ならばそんな事はしないで落ち着いて座っていただろう。




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