秘密の片思い
「愛さん、いらっしゃい よく来てくれてわね」


郁斗の母は門のインターホンが鳴ると急いで玄関を出て2人が来るのを待った。


「お、お義母様・・・よろしくお願いします」


頭をペコッと下げた愛の腕に取って中へ招き入れる。


「来てくれるって聞いて楽しみだったのよ?」


疲れたでしょう?と言ってソファーのイスを勧めた。


愛の後を郁斗が荷物を持ってブラブラと入ってきた。


「温かい飲み物がいいわね 何にしましょう コーヒー?」


母親が愛に聞く。


「愛にはホットミルク コーヒーを飲ますと眠れなくなるから」


郁斗が母親にそっけなく告げる。


「俺にはコーヒーね」


傍にいたお手伝いさんの年配の女性に頼む。


「まったく 息子は本当につまらないわ 会話もそっけないし 愛さん 何でも話してね?」


綺麗にお化粧された顔でにっこり愛に微笑んだ。




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