秘密の片思い
「ん・・・・」


目を覚ますと目の前に郁斗の顔。


い、郁斗・・・・


まだ郁斗はぐっすり眠っているようでかすかな寝息だけが聞こえる。


まだ部屋の中が薄暗いから早い時間ではない事は分かった。


郁斗を起こしたくないから動けない。


病院にいる時はもちろん別々のベッドだったし、退院してからも寝る時は先に寝て起きると郁斗はすでに起きていたので一緒に寝ている事を実感するのは初めてだった。


訳もなく郁斗の端整な寝顔にドキドキとしたが慣れてくるとじっと寝顔を見れるようになった。


長いまつげ・・・それにまっすぐに整った鼻、眉はきりっとしていて・・・


髪は指を入れたくなるくらい。


サラサラだけどふんわり癖のある髪。


あたしの知っている郁斗じゃない・・・。



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