秘密の片思い
「愛?俺たちは夫婦なんだからな?」


夫婦・・・・。


愛は昨日のリビングでの会話を思い出してしまった。


「・・・夫婦だったら隠し事しないで・・・」


郁斗から目をそらして言う。


「隠し事?」


郁斗の声が鋭くなる。


「そうだよ 隠し事 あたしは何を忘れていた方が良いの!?」


愛は郁斗の腰に置かれた手を振りきって起き上がった。


「愛?何を言っているんだ?」


郁斗もその場に上体を起こす。


「ねぇ・・郁斗・・・あたしはいったい何を忘れちゃったの・・・?」


愛の目からはポロポロと涙が溢れシーツを濡らした。




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