秘密の片思い
愛は郁斗から離れて波打ち際に近づいた。


あたしは自分だけじゃなく郁斗も苦しめている・・・。


郁斗は優しい・・・。


あたしはこんなに我侭なのに・・。


忘れてしまった記憶は知りたいけど時に任せようか・・・・。


これ以上、郁斗を苦しめない為にも。




ザクッ ザクッ・・・


砂を歩く音が愛の耳に聞こえてきた。


愛は振り返って郁斗を見た。


「郁斗・・・ 6年分の記憶はいらない・・・いつか思い出す日が来るまでいらない・・・」


愛はやっと決心がついた。


愛は腕を伸ばして郁斗の身体に抱きついた。


「愛・・・」


郁斗も愛の身体を抱きしめ返した。


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