秘密の片思い
「もうすぐ出てくるんじゃない?」


涼子が到着ゲートの扉を食い入るように見て言う。


彼を見逃さないよう一生懸命だ。


「そうだね」


愛は緊張していた。


彼を見逃すわけはない。


長身で立っているだけでも目立つのだから。


郁斗……あたしの事がわかる?


それとも忘れちゃった?


ブラジルで少しでもあたしを思い出してくれた?


愛は郁斗に会うのが不安だった。





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