秘密の片思い
「まあ、慌ただしいわね?」


母親がつまらなそうに呟く。


「愛ちゃん、良かったね?郁斗とお出かけだよ?」


映画を見て以来、結局、郁斗が留守の間どこへも出かけなかった。


「日菜、俺たちも出かけようか」


千波が日菜を誘う。


「そうだね 買い物したいかも」


日菜はにっこり千波に微笑んだ。


「日菜、お義兄様、5日間ありがとうございました」


愛はあらたまってお礼を言う。


「愛ちゃん、楽しかったね。また泊まりに来るね いつも昼間は千波くん、いないし」


そう言う日菜に千波は優しい眼差しで見つめていた。



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