秘密の片思い
静かに愛をベッドの上に降ろし、コートを脱がすと愛は寝返りを打った。


買った携帯電話をサイドテーブルの上に置くと部屋を出た。



* * * * * *



「ん・・・・」


愛が目を覚ました。


「あれ・・・?・・・郁斗は?」


見慣れた部屋にいる。


愛は身体を起こし顔を動かす。


部屋に郁斗はいなかった。



「いつの間にか眠っちゃったんだ・・・」


食事前に会ったあの女性が思い出される。


あの女性の名前は・・・・?


もう一度顔を思い出そうとして眉根を寄せる。


いやだ・・・怖い!


心の闇に迫る何かに愛はおびえた。



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