秘密の片思い
郁斗からすぐに監督が大きく映し出されてしまった。


「やっぱり国立競技場まで行けば良かった・・・・」


愛がボソッと言う。


テレビでは郁斗をずっと見られない。


千波も凛々しい弟の姿に足を組みながら見ている。



* * * * * *



郁斗がボールを蹴るたびに愛はぎゅっと手を握る。


握りすぎて汗ばんでいる。


「ああっ!そこっ!あ~ おしい・・・」


郁斗のシュートは大きくゴールをそれた。


まだ0-0、もうすぐ前半が終わろうとしている。


「日本が攻めているんだけどね」


日菜が言う。


「まあ、相手は格上だから 0点に押さえられているのがすごいと思うよ」


千波が興奮している日菜と愛に言った。



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