秘密の片思い
前半0-0のまま、後半に入った。


「なんか・・・みんな郁斗にばかりボールを集めている気がする・・・・」


郁斗はフィールドを走り回っていたが、相手に転ばされる場面も少なくない。


「郁斗が引っ張っているんだ」


「すごい、郁斗」


日菜はじっくり試合を見るのは初めてだった。



その時、郁斗のアシストでボールが相手ゴールにつきささった。


「「きゃーっ!一点入れた~」」


愛も日菜も抱き合って喜ぶ。


だがその喜びもすぐに消された。


あっという間に相手がゴールしたのだ。


「あ~あ・・・1-1だ」


日菜が肩を落とす。


郁斗・・・・。


愛はじっとテレビ画面を見つめていた。



< 532 / 646 >

この作品をシェア

pagetop