秘密の片思い
絶対に勝ってね?


自分の声が頭に響いた。


まるで白昼夢を見ているみたいに鮮明に聞こえた。


前にも言った・・・?


「気をつけて来いよ・・・・・」


郁斗の笑顔。


気をつけて来いよ。の後に何を言われた・・・?


愛はまぶたを閉じた。


考えたくないのに頭の中に郁斗の声が聞こえる。




「愛ちゃん?愛ちゃん?」


日菜の声に愛はパチッと目を開けた。


「日菜・・・・」


「どうしたの?頭痛いの?」


どこかうつろな目をした愛を覗き込む。


「ううん 痛くない 1-1かぁ・・・大丈夫かな・・・」






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