秘密の片思い
「あら起きたのね?」


母親がダイニングルームにいる郁斗を見て驚いた。


起きるのはお昼ぐらいだと思っていた。


「お袋、愛は?」


キッチンの中へ入って行った母親に聞く。


「実家へ行ったわよ?」


母親はご飯をお茶碗によそりながら答える。


「実家!?」


郁斗は眉を顰める。


いきなりどうしてなんだ?


「どうしてそんなに驚くのよ?」


「いや・・・何も言っていなかったから」


母親がご飯の入ったお茶碗とお味噌汁のお椀をお盆に乗せてテーブルに並べている。


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