秘密の片思い
「実家へ行くと言って家を出たんだ 連絡があったら教えて欲しい」


郁斗の心配は更に深まった。


「はい 必ず連絡します」


大地は約束して電話を切った。




ダンッ!


ハンドルに思いっきり両手の拳をぶつける。


「どこへ行ったんだよ・・・・」


日菜にも電話をしてみる。


『郁斗、昨日は残念だったね』


電話に出た途端、日菜が昨日の試合の事を言った。


「日菜、愛は行ってるか?」


『愛ちゃん?来てないよ?どうしたの・・・?』


「連絡があったら教えてほしい」


詳しい説明もせずに郁斗は携帯電話を切った。


それほど郁斗には余裕がなかった。


ただの思い過ごしであればいい・・・・昨晩の事を思い出そうとしてもまったく思い出せなかった。



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