秘密の片思い
愛は自分が卒業した高校にいた。


記憶のある所から考えたいと思った。


日曜日だが部活があるので校門は開いていて愛は中へ入った。




「サッカーやってる・・・・」


ここであたしはこっそり郁斗を見ていた。


校庭を見下ろせる小高い芝の上に座り、しばらくサッカーを見ていた。


昨日、負けて悔しかったんだよね・・・。


だから珍しく深酒(ふかざけ)した。


郁斗の将来をあたしが邪魔しているみたい。


屋外でジッとしているのは無理があった。


「さむっ」


ブルッと身体を震わせて立ち上がった。


そして来た道をのろのろと戻る。




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