秘密の片思い

衝撃






いた!


郁斗の目に愛の姿が映った。


真新しいガードレールから少し離れた植え込みの石の上に座っていた。


膝を抱えて顔は伏せている。


びしょぬれでひっそりと座っている姿は郁斗でなければ見つけられなかったかもしれない。


それほどに愛はそこに同化して今にも消えてしまいそうに見えた。


郁斗はその姿に下唇を噛んだ。


記憶を思い出したんだ・・・・。


そうでなければこんな雨の中、こんな寒い所にいないだろう。



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