秘密の片思い
「愛!」


一度呼んだくらいでは愛は気づかない。


いや、意識がないのか?







郁斗は焦って愛の目の前にしゃがむと肩に触れた。


「愛!?」


小さく揺さぶると愛はゆっくり顔を上げた。


「い・・・く・・と・・・・」


愛は震えていた。


目もうつろで名前を呼ぶと郁斗の方に身体がぐらりと揺れた。


「愛!いつからいたんだよ!?」


愛は気を失っていた。


しぼれるくらいにびしょぬれの愛の身体を抱き上げた。




< 567 / 646 >

この作品をシェア

pagetop