秘密の片思い

* * * * * *



傍らで眠る愛を見つめてやっと安らぎを覚えた。


いろいろあったがもう大丈夫だろう。


そう思った時、一つ忘れていた事を思い出し思わず声をあげてしまった。


「あっ!」


その声に愛がもそっと動き郁斗の方へ動く。


「ん・・・どうしたの・・・?」


目を瞑りながら聞く愛。


「いや、なんでもない オヤスミ」


愛の身体を引き寄せて肩を撫でるとすーっと愛は眠りに引き戻された。


移籍のことをすっかり忘れていた・・・。


移籍となるとイタリアへ住まなくてはならない。


愛に話すのがためらわれた。



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