秘密の片思い
愛は久しぶりに日菜のマンションを訪れた。


訪れたと言ってもお隣さんなのだが。


日菜は愛が玄関に姿をあらわすと驚いた顔になった。


郁斗と仲直りした事をまだ知らないのだから無理もない。







「愛ちゃん、あとで行こうと思っていたんだよ?」


日菜はリビングに愛を通しながら言う。



「飲み物用意するから座っててね 昨日フィナンシェ焼いたの 愛ちゃん好きでしょ?」


そう言って日菜はキッチンへ言った。



日菜はミルクティーを入れた。


最近、ミルクを一杯入れると紅茶なら飲める様になったのだ。


リビングのテーブルにカップと小さな長方形の焼き菓子を置いた。


お店で売っているみたいにきれいな焼き具合だ。



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