秘密の片思い
「い、郁斗っ 危ないよ 包丁持っているんだから」


愛が困っていると郁斗の手が愛の包丁を奪いシンクの中へ置いた。


「愛、お前が心配だ・・・・」


正直に言う郁斗に愛はゆっくり目を閉じた。


郁斗に背後から抱きしめられてからだの力が抜けていく。


緊張の糸が切れたような感覚で、郁斗の胸に愛の体重がかかった。


「愛、無理するなよ・・・」


郁斗は愛を抱き上げると寝室へ向かった。



愛の身体をベッドに横たえると、自分もベッドに寝そべる。


泣いている顔を見せたくない愛は郁斗と反対側を向いてしまった。



郁斗はかまわずにやはり包み込むように愛を背後から抱きしめた。





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