秘密の片思い
昔、泊まった部屋を見て懐かしさを感じた。



あのドアはあたしたちが泊まった寝室で、向こうは郁斗が泊まったんだっけ。


スイートルームだからゆったりとしているけど、あの時は郁斗も同じ部屋だと聞いてドキドキしたんだっけ。


「なに考えてる?」


いつの間にかダウンジャケットを脱いだ郁斗が傍に立っていた。


「え・・・な、懐かしいなって・・・」


「愛も思い出してたんだ 俺もあの時の事を思い出していた 日菜と兄貴の事でバタバタだったけどな」


「うん・・・日菜たち、どうなる事かと思ったけどね」


「クリスマスパーティーの時のドレス姿、まだ覚えているぞ?」


真っ赤なドレスだった。


もともと大人っぽい愛だが、もっと大人びて見えて眩しかった。



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