秘密の片思い
信号が赤でブレーキをかけると郁斗は隣を見た。


目を閉じた愛はどうやら眠ってしまったらしい。


(ずいぶんと無防備なんだな)

郁斗は愛に触れたくなった。


手を伸ばせば届く所にいる。







郁斗は自分の新しいマンションへ向かっていた。


朝倉が所有する高級マンションにこれから住むことになる。


そこに住むとなると郁斗が入るプロサッカーチームは東京近辺と限られてしまうのだが。






マンションの地下駐車場のパーキングに止めるとエンジンを切った。


「愛」


呼んでも愛は目を覚ましそうになかった。






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