秘密の片思い
やっぱり待っていたか……と郁斗は心の中でため息を吐いた時、名刺をくれた女性の隣に目をやった。


「愛?」


郁斗が愛の名前を呼んだ時、愛は携帯をパタンと閉じた所だった。



そして郁斗の方を見た。


「郁斗……あっ、ごめんね 郁斗って呼んじゃって……」


「本当に愛なんだ 驚いたな」


郁斗が笑った。


涼子は彼が親しげに愛の名前を呼ぶのを驚いている。


考えていたよりも2人は親しそうだ。と涼子は思った。



「お前こんな所で何してんの?」


「あたしもサンウォークの雑誌編集者なの 久しぶりだね」


愛はそう言ってあいまいに微笑んだ。





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