秘密の片思い
『ちょっと待てよ!今、家だよな?大人しく待っていろよ』


そう言うと切れてしまった。


「待っていろよって・・・」


(そうは行かないんだから・・・)


愛はバッグを手にして玄関に行きドアを開けた。


その瞬間、ドアを再び閉めようとした所を手が伸びて押さえられた。



「い、郁斗っ!離してっ!」


押さえている手は郁斗だ。


まさか近くまで来ているとは思ってもみなかった。


自分の力と郁斗の力ではかなうわけがない。


大して力を入れた風でもなく郁斗は玄関の中に入ってきた。




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