秘密の片思い
「大人しく待っていろって言っただろう?」


愛を見つめたまま言い、後ろ手でカギを閉める。


閉められた事さえわからない愛はポカンと郁斗を見ている。


「どうしてここが・・・?」


「そんな事もわからないのか?日菜に決まってんだろう?」


郁斗はスニーカーを脱ぎ愛の手首をつかんで部屋へと上がった。


「愛 なぜ逃げるんだよ」


ピンク色のソファーに愛を座らせてから隣に郁斗も座る。


2人がけのラブソファーは郁斗が座ると思ったより小さくて愛の高鳴る心臓の音までもが郁斗に聞こえそうだ。


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