例えば、それがキオクだったら…
*
「………」
「……?」
言いかけて、晴香の動きが止まった。
「…どうした?」
「その世界の名前は……」
「名前は…?」
二人の間に、沈黙が訪れる。
カップラーメンができるくらいの間をおいて、晴香が口を開く。
「………忘れちゃった♪テヘッ」
「………」
今の“テヘッ”は珪が今まで聞いた中で、最も不快な“テヘッ”だった。
……と、思う。多分…おそらく……いや、絶対。
「ごめんね?」
「……俺、お前嫌だ。」
「ごめ~んっ」
“嫌い”じゃなく、“嫌”になられてしまいましたとさ。
自分で話し始めたくせに、結構重要なトコ抜けてるのは、確かに嫌だろう。
自業自得とは、この時のために作られた言葉かもしれない。
*
「ごめんっ、珪!今日部活でミーティングあって…一緒に帰れない」
「…別に。そっちの方が、いい」
「ひどっ」
迷子になっても知らないぞ~、などとほざきながら、晴香は走り去る。
放課後。いつもなら、一緒に帰ろうと声をかけてくる晴香。
今日は試合前とあって、部活の方で都合があるらしい。
そのお蔭と言うと、晴香に失礼かもしれないが
珪はいつもより少し軽い気持ちで教室を出た。
「………」
「……?」
言いかけて、晴香の動きが止まった。
「…どうした?」
「その世界の名前は……」
「名前は…?」
二人の間に、沈黙が訪れる。
カップラーメンができるくらいの間をおいて、晴香が口を開く。
「………忘れちゃった♪テヘッ」
「………」
今の“テヘッ”は珪が今まで聞いた中で、最も不快な“テヘッ”だった。
……と、思う。多分…おそらく……いや、絶対。
「ごめんね?」
「……俺、お前嫌だ。」
「ごめ~んっ」
“嫌い”じゃなく、“嫌”になられてしまいましたとさ。
自分で話し始めたくせに、結構重要なトコ抜けてるのは、確かに嫌だろう。
自業自得とは、この時のために作られた言葉かもしれない。
*
「ごめんっ、珪!今日部活でミーティングあって…一緒に帰れない」
「…別に。そっちの方が、いい」
「ひどっ」
迷子になっても知らないぞ~、などとほざきながら、晴香は走り去る。
放課後。いつもなら、一緒に帰ろうと声をかけてくる晴香。
今日は試合前とあって、部活の方で都合があるらしい。
そのお蔭と言うと、晴香に失礼かもしれないが
珪はいつもより少し軽い気持ちで教室を出た。