君に届いたら
第Ⅰ章『出逢う』
『でさぁーあ!勇ちゃんったらぁ~』
私は今、親友のノロケを聞かされている。
「あ、あのね、美加ちゃん。それさ、さっきも聞いたよ?」
私は遠慮がちに言った。
『うっそー!?まぢで!?あたしってば浮かれ過ぎ~』
美加ちゃんは『エヘッ♪』と、拳で頭をコツンっと叩いた。
「あはは・・・・。」
美加ちゃんは最近、ずっと片想いだった人と付き合い始めたの。
お互い、両想いだったんだってさ。
凄いよね!
・・・・少し羨ましいよ。
積極的に行動できる美加ちゃんが。
私なんて.......
ハッ!!
またネガティブモードにスイッチ入りかけてた!!
いけない、いけない。